欠片



 やぁ、今日は逢える気がしたんだ。
 最初に謝らなきゃならないね。
 ゴメン、キミとの約束を破って…。

 えっ? 気にしなくてもいい。
 フッ… やっぱり優しいね、キミは。

 でも、そのお蔭で解った事もあるんだ。
  
 星の歌。
 聴こえないんじゃなくて、聴いていないだけだって。
 
 あの日、空に昇ったキミは沢山の欠片になって、ちゃんと
流星群と共に戻ってきてくれていたっていうのにね。
 
 思えば、私の心が落ち着く場所には、いつもキミが居てく
れた様な気がするよ。
  
 あぁ、もうすぐ夢から醒めてしまうんだ私。
 もう、お別れだね。
 
 この満天の星の下、キミはこの星の命に溶けていくんだね。

 変だね。まだ寂しいけど、哀しくは無いんだ。
 多分それは、キミの欠片は私の中にも在って。ゆっくりと溶け
合っていくのを感じられるから。
 
 キミと私… あたらしい、私。






酸素泥棒さんあとがき
寂しさに気づいた時、人は目を耳を塞いでしまうのかもしれません。




〜今日のお話〜

「夢」というものは、人のみが見ることのできる仮世の世界です。
仮とはいっても、夢を見ている間のそこは現実。
他の誰も立ち入ることはできません。
貴方は、朝起きたとき、「ずっとこの夢が続いたらいいのにな」と思ったことはありませんか?
また、これは夢だと分かっていても、もっとこの夢を見ていたいと思ったことは?

今日は優の、不思議な夢の話でした。
でも、優のこの夢は、本当は夢なんかじゃないのかもしれませんよ。

優はまた明日の晩、彼と逢うことができるのでしょうか。
楽しみはあとにとっておいた方がいいですよね。



(2000/08/24)




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