〜Present for you〜
第1話「それは突然訪れた…」



「お願いっ!!晶だけが頼りなのよぉ…」

 唐突にクラスメートの麻衣(まい)に頼まれてしまった。

『でも…私そういうのやったこと無いのよ、それでもいいの?』

 真剣な表情で頼み込んでくる麻衣を断れず、私は

『・・・本当に1週間だけだからね…。』

その言葉を聞いた麻衣は急に明るい表情になって

「本当!?じゃあ、マスターにいっておくね!ありがとう晶!!」
そういうと、麻衣は足早に教室を去っていった、これからそのバイトへ向かうらし
い。


 時間を少しさかのぼる、授業も終わり、美紀(みき)と麗子(れいこ)と帰ろうと
していたとき、
同じクラスの滝野(たきの)麻衣が、何やら思いつめた顔で私の前に来た。
何だろうと思って訳を聞くと、麻衣のアルバイト先で急に一人辞めてしまい、
どうしても人が足りなくなってしまったという。
それにもともと人が足りないため、どうしても埋まらなかったらしく、私に白羽の矢
が立ったというわけで…。

『なんで私なの?他の人に頼めばいいのに、他にも募集をかけるとか考えなかったの
?』

と聞いたら

「すぐに募集をかけたんだけど、集まらないのよ…」

と情けない声で言われてしまった。
そんな友達を放っては置けないので、私は1週間だけという条件でアルバイトを引き
受けた。 


その日の夜、久しぶりにアイツに電話をしたらいつものように留守電だった、聞き慣
れたアイツの声で無機質なメッセージが流れる、

『もう、またいないの?そんなにアルバイトって忙しいわけ?…ふぅ…また電話する
わ、じゃぁね』

 いつものようにメッセージを残すと私はベッドに身体を放った。

『ふぅ…アルバイトって忙しいんだ…どんな感じなんだろう…』

 私は今までアルバイトをしたことがないけど、東京にいるアイツはアルバイトして
溜めた費用で長崎まで私に逢いに来てくれている、東京から長崎まででも飛行機で2
万以上するのに、アイツは多いときは月に2度、少なくても2ヶ月に一度は長崎に来
てくれている、それだけ苦労して来てくれていることを思うと、やっぱり嬉しい。
 でも、アイツはすごく大変な思いをして仕事してると思うと、私はちょっと悔し
かった、逢いに来てくれているときは、いつもの優しい笑顔で私と逢ってくれてい
る。その裏でいつも留守電になるほどアルバイトをしているのかと思うと、アイツに
申し訳なく思ってきた、そこで麻衣から頼まれたバイトをやってみようと、決心し
た。


 翌日、教室に入るなり窓側にいた麻衣がこっちに向かってきた。

「あーきーらっ!おはよっ!!」

『おはよう、麻衣。』

「ねねね、昨日の事なんだけど、マスターOKだって!」

 さっそく、昨日の件でのマスターからの返事が返ってきたみたいだった、

『そう、で、いつからなの?』

「今日から」

『そう、今日からね…』















…はい?ちょっと待って?と、思うまでに5秒かかった。



『ちょっと待って…、今日からって…本当に?』

そう聞き返すと、屈託の無い笑顔で麻衣は大きくうなずいた。

「うん!さっそく頼むよ!だってさ!!」

あまりにも唐突な私のバイトデビューとなった…。

つづく。






榊晶さんあとがき

誕生月ということで今回のヒロインは晶様です。
晶様はとても優しい人だと思ってます、
なんつーか、照れ隠しでああいう風な態度になっているような気がします。
本当は思いやりがあって、ちょっと照れ屋な人なのではないでしょうか?
これは榊の勝手な想像ですが…
さて、これで終わりなわけではありません、次回は晶様の初バイトの模様をお送りし
ます。
お楽しみに!



〜今日のお話〜

 榊 晶さんより、晶の小説を頂きました。
なにやら今回は晶がアルバイトをするお話だそうですね。
友人から頼み事をされると嫌とはいえない晶、如何にも晶らしいですね♪
でも、晶がアルバイトとは、これまたひと波乱起きそうな予感がしますです。
これからまだまだ続くそうですよ。
楽しみに待っていましょう!



(2000/10/03)




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