「・・・・・・はぁ〜・・・・・・」 私はため息をつく。 あいつが最後に家にきてから、2ヶ月が経った。 なんとなく、この2ヶ月が長く感じる。 そろそろ、遊びにこないかなぁ・・・・・・。 家はいつでも遊びにきてもいいんだぞっ! 誕生日記念小説シリーズ「とある休日」 第6話「安達妙子」 「あいつは、元気でやってるかな?・・・・・・っと・・・・・・」 ここ最近、日記の文末には、決まってこの言葉が入る。 弟のような感じのあいつは、去年の春にひょっこりと『帰って』きた。 それから、夏休みとかにも遊びにきてくれた。 しかし、夏が終わるとぱったり『帰って』こなくなった。 電話をかけても、いつも留守で、メッセージを残すが、 帰ってきた試しは、まだなかった。 時計をふっと見ると、もう日付が変わるころだった。 私は日記を閉じて、布団に入った。 「・・・・・・おやすみ」 私は睡魔にあらがうことなく、夢の世界へ入っていった。 翌日は気持ちよく晴れた。 学校が休みでも、店の手伝いとか洗濯とか、やることがたくさんある。 なので、起きる時間はいつもと変わらない。 「・・・・・・暇ね・・・・・・」 日曜日は、お客さんの入りが少ない。 配達も特にないので、お父さんも居間でごろごろしている。 純なんてとっくに遊びに出ている。 私は手元においてあった文庫本に手を伸ばす。 最近人気のある作品で、少女が思い出の場所と思い出の少年を探す物語で、 私も発表当初から読んでいるお気に入りだ。 文庫本を集中して読んでいると、奥からおかあさんがでてきた。 「妙子、店番変わるよ」 「うん、じゃあ散歩にでもいってくるね」 「はいよ、気をつけてね」 「はーい」 私は栞をはさみ、席を立った。 部屋でぶらぶらしててもしかたないので、私は駅のほうへ散歩に出た。 結局商店街をぶらぶら歩き、青森駅までやってきた。 駅の時計を見ると、お昼をかなり過ぎていた。 駅舎の中に入り、時刻表をふっと見ると、盛岡からの特急が入線してくるようだ。 やがて、改札口から長旅を終えた乗客たちが吐き出され、駅は一時の喧騒に包まれ る。 そんな情景を私はぼーっと見ている。 「・・・・・・妙子?」 えっ……? う、嘘・・・・・・。 その声の正体を確かめるべく、声がしたほうに向くと 「よ!」 手を上げてあいつが立っていた。 「いらっしゃい、って突然きたね」 「まぁね、なんか急に青森に行きたく……帰りたくなったんだ」 「そうなんだ・・・・・・」 もう・・・・・・突然なのは相変わらずなんだから……。 「ほら、いくよ!」 そういって、あいつの手を引っ張っていく。 結局あいつはうちで夕飯を食べて、その日の夜行で東京に帰っていった。 でも、あいつと過ごした半日は、久しぶりに充実したものになった。 さあっ、明日からまた頑張るぞっ! |
〜 榊晶さんあとがき〜
| とある休日第6話です。 実は難産キャラな妙子です。 だんだんテーマの意味が無くなってきているような気がします……。 来月は個人的にお気に入りな「なんぎな美由紀さん」の登場です。(笑) 榊 晶拝 |
| 流石は彼! 連絡もなしで駅で運命の出会いを果たすことが出来るなんて、素晴らしいですね! 羨ましすぎますです〜! |
